2008年9月11日木曜日

MBC「Beethoven Virus」スタート

私の場合、PDへの信頼感とキャストの苦手感により、良くも悪くも先入観一杯での視聴にならざるを得ない「Beethoven Virus」だから、激しく客観性は欠いた感想になっているだろうけど…正直、初回の印象としては満足度6~7割というところで止まった。

一言で、溢れ出る耳なじみのある有名クラシックの音に、個性的なはずのキャラクターも其々のエピソードも、すっかり"埋もれ"てしまっている印象だ。イジア嬢は熱演しているのは分かるけど、その演技や表情が浮いて上滑りしているように見えて、出ずっぱりの割には存在感が薄いような気がした。キムミョンミン氏は、キャラ設定そのものが"カリスマ"の真骨頂だから、想像通り。(元々苦手だから、演技や表現力に対して、ちゃんと感じることも出来ないのだと思う…) 意外に、劇中の世界やキャラクターにしっくり馴染んでいると思ったのは、チャングンソクくんの雰囲気とカンゴヌのキャラクターだろうか。ただし、イジア嬢と絡む場面は、やっぱりあまりピンと来なかった^^;

全16話だから、そんなにじっくりじっくり描いている暇はなさそうだけど、その他のキャラクターたちを一遍に登場させたのも少し疑問が残った。一人一人がオーケストラに加わって行く過程を、もう少しじっくり描いても良かったのではないだろうか。其々に紆余曲折あって、一人、また一人と加わりながら、やっとオーケストラが完成されて行く・・・という流れの方が、見ている方としてはより達成感を感じられたような気がする。ま、これは今後遡って描かれるのかもしれない。

映像やカット割りに工夫が見られて印象に残ったのは、赤ちゃんが生まれそうな夫婦との絡みでイライラ感が増幅して行くチャングンソクくんの場面かなあ。 この作品で、音楽と関係ないあの場面が一番印象に残っているというのも変だけど、あの場面は良く出来ていたと思う。(汗)  イジア嬢が同僚の前でバイオリンを弾く時の妄想場面や夢?で海に身を投げる場面も一捻りあり? でも、特に後者の場面は、この素材であそこまで凝った場面が必要があったのか、私にはちょっと分からなかった。 それに対して、事前にスチールが公開されたことで気になっていた地下鉄の場面は、意外にアッサリしていてガッカリ。あそこは、もっとドラマチックでも良かったよなあ。

初回は登場人物の紹介、程度に思えば、そこそこの出来だったのかなあ。(正直、よく分からない^^;)

このドラマはある意味クラシック音楽こそが主役で、その主張と存在感がかなり強いだけに、その使い方如何で劇全体の印象を左右しかねないし、元々予想可能なストーリー性がより希薄になる危険もあると思う。実際に出来上がった初回を見て、想像以上に難しい素材であると感じた。 演奏場面で、楽器からじゃなくて別の所から音が聞こえて来るようなことは、私にとっては二の次三の次だ。(苦笑)